OpensceneryXの改訂版が,リリースされました。このライブラリーのインストールにあたって”Backup”に関する注意事項があります。私はこの”Backup”の用法を誤解していたためにちょっと困ったことになりました。その理由を説明して導入し失敗しない方法を説明します。
X-Plane11導入日記(その117)
私が誤解していたOpensceneryXのインストーラーの”Backup”オプション
改訂版がリリースされたOpenSeceneryX
OpensceneryXが改訂され4.1.0が,リリースされました。
OpenSeceneryXのインストールは,サイトからインストーラーをダウンロードしてオンラインでインストールするようになっています。
4.0.0のインストール時には,内容のわからないオプションを選択して一部のライブラリーを消去してしまうと言う失敗もしました。
今回の4.1.0のインストールにおいては,オプションを指定せずにインストーラーを実行したので,ライブラリーの消失はありませんでした。
このインストーラーも4.0.0同様,“Backup”オプションを持っています。
OpenSeceneryXの”Backup”オプション
私は,これまでの”Backup”されたライブラリーは,どうなっているのか調べることにしました。
その結果,私はこの”Backup”オプションについて大きな誤解をしていたことに気がつきました。
私は,”Backup”ということで,「退避」をしてくれるのだろうと考えていました。
ところが,どこを探しても「退避」したライブラリーが見つかりませんでした。
表示されている案内には,”More about Backup Library“というリンクがあります。
ここには,“Backup Scenery Library 2.4.0″へのリンクがあります。
“OpenSeceneryX4.1.0″のリリースノートには,この”Backup Scenery Library 2.4.0″に対応しているとの説明がありました。
“Backup Scenery Library 2.4.0″について
この”Backup Scenery Library”の説明を読むと,このライブラリーはシーナリーをインストールして表示したとき,欠けているライブラリーがあったら,そのライブラリーがあるように振る舞うというものでした。
このライブラリーの表題にある“Backup”は,「退避」ではなく「代替え」という意味なのです。
OpenSeceneryXは,この”Backup Scenery Library”に適合しているだけで,なくなったライブラリーパーツを「退避」してくれるわけではありません。
つまり英語力の低い私は,これまでこのことに気づかずにインストーラーを動かしていたのです。
“Backup Scenery Library 2.4.0″の赤色Box表示
また,”Backup Scenery Library 2.4.0″のオプションで赤いPlaceholderというものがあります。
このオプションは,表示したシーナリー内に表示できないオブジェクトがある場合に,その場所に赤い箱を表示するというものです。
Windows10でこのオプションを利用するようにインストールしてみましたが,日本の空港シーナリーでは表示されたことがないので,動作を確認できませんでした。
OpenSeceneryX4.1.0をインストールする方法
前バージョンのOpenSeceneryXフォルダーの退避
一番大事なことは,OpenSeceneryXのフォルダーをインストール前にまるごと「退避」することです。
退避さえしていれば,インストール後の不具合を回避できます。
私は,4.0.0で”Backup”オプションがあるから大丈夫だろうと,フォルダー退避を怠っていたため,3.2.0のバージョンを失ってしまいました。
残念ながらOpenSeceneryXのインストーラーは,過去のバージョンをインストールできる仕様にはなっていません。
そのため失った過去のバージョンは,「退避」していない限り失われてしまいます。
今回も,OpenSeceneryX4.1.0をインストールする前に”Custom Scenery”フォルダーにある”OpenSeceneryX”フォルダーを「退避」させておきましょう。
“Backup Scenery Library 2.4.0″の導入
次に代替えライブラリーである”Backup Scenery Library 2.4.0“を導入します。
この導入で,OpenSeceneryX4.1.0で整理されたライブラリーパーツの代替えが行われるので,シーナリー表示エラーを回避できるわけです。
新しいOpenSeceneryXを導入した際のシーナリー表示エラーを回避する目的では,必須のライブラリーというわけです。
“Backup Scenery Library 2.4.0“のダウンロードは,X-Plane.orgから行います。
X-Plane.orgより引用
インストールは次の手順で行います。
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ダウンロードした”Backup Scenery Library 2.4.0.zip”を適当な場所で展開します。
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出来上がった”Backup Scenery Library 2.4.0″フォルダーを”X-Plane>Custom Scenery”フォルダーにコピーします。
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“Custom Scenery”フォルダー内の”scenery_packs.ini”をメモ帳で開きます。
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次の画面のように,OpenSeceneryXの次くらいに”Backup Scenery Library 2.4.0″の定義を置きます。
これで導入作業は終了です。
OpenSeceneryXのインストーラーの起動
OpenSeceneryX4.1.0は,これまでのOpenSeceneryXのインストール方法と変化はありません。
インストーラーの入手先は下のリンクから行えます。
具体的な作業は,OpenSeceneryX4.0.0の導入作業の記事を参考にしてください。
OpenSeceneryX4.1.0導入後のFPSの変化
導入後に羽田空港34R滑走路上のFPSは10~15程度に低下しました。
また,東京スカイツリー方面に飛行したときのFPSも同様でした。
これではスムーズにVFRを楽しむというわけにはいきません。
導入後のライブラリー欠如も起きていないにもかかわらず,東京都市部ではFPSが低下しました。
なお,地方空港でのFPSの低下は見られませんでした。
その結果,東京市街地を飛行する際には,グラフィック設定で”アンチエイリアス“を一段階低くすることにしました。
これによる大きな画質の低下は感じられないので,しかたがないことかもしれません。
設定を軽くすることで,羽田34R滑走路上と飛行中のFPSは27以上に回復しました。
まとめ
まず,私の英語力が低いために,長い間一部の記事で誤った説明をしてきたことをお詫びいたします。
OpenSeceneryXは,X-Plane11の新しいフリーシーナリーを導入する時には,できるだけ新しいバージョンを使って行く必要があります。
そのためにも,必ず“Backup Scenery Library”を利用しなければならないのです。
この記事は,次の製品のオンラインバージョンアップ版で表示確認をしています。