X-Plane11をメインディスプレイにフル画面で表示してしまうと,ムービングマップを表示する余地がなくなってしまいます。
デュアルモニターを利用するとき,VRAMの使用量に影響が出ると,X-Plane11のFPSに影響が出るかどうかが心配になります。
そこで,余っていた古いディスプレイを引っ張り出し,デュアルモニター構成としてVRAM使用量とFPSへの影響を調べました。
X-Plane11導入日記(その61)
X-Plane11のデュアルディスプレイでのマップ表示のVRAM消費は少ない
セカンドモニター構成時の懸念
私のコンピューター構成は,ビデオカードのメモリーが4GBです。
このVRAMでは1600×900の解像度なら,フル画面表示でもFPSを実用値に保ったまま多くの地表にあるオブジェクトを表示することができることが判りました。

けれどもその時には,ムービングマップを同じモニター画面上に表示できません。
また,別PC上にムービングマップを表示しようとしても,XPUIPCの調整がうまくできていないので表示できません。
2画面構成であれば,メイン画面をフル画面表示にしてもムービングマップを表示できるのではないかと考えました。
けれども,一つのビデオカードに2つのモニターをつないだ場合,当然表示させる画素数が多くなります。
その結果,VRAM使用量が大きくなりX-Plane11のFPSに影響が出るのではないかと考えました。

出来上がったデュアルモニター構成 ”RDT195V”なんてのは,かなり古~いモニターです。
2画面構成時のVRAM使用率の測定とFPSへの影響
ディスプレイのつなぎ替え
実際にどのくらいの影響があるかを実験してみました。
昔使っていたディスプレイを引っ張り出して,セカンドディスプレイとして接続しました。
昔のディスプレイですからスクエアタイプで解像度は,1280×1024が最大です。
接続もDVI-DとDsub-15Pinだけでした。
私のディスプレイカードには,DVD-Dソケットが1つしか付いていません。
この実験のためにメインディスプレイをDVI-Dケーブルからディスプレーポート接続に変更して,空いたDVD-Dソケットにセカンドディスプレイをつなぎ直しました。
ディスプレイケーブルを机の向こう側に廻してモニタに接続するという作業は結構疲れます。
PCを動かして裏面をのぞき込む作業でしたが,キャスター付きミニ台車のおかげで,割と早くつなぎ替えることが出来ました。

VRAM使用率とFPS測定
さて,前置きはここまでにして,実際のVRAM使用量結果をご報告します。
結論から言えば,影響は87%から93%へ6%増加というものでした。
ムービングマップのVRAM使用量は,X-Plane11のシーナリー表示と異なりわずかということが判りました。
またFPSへの影響は,広島空港から広島西飛行場への20分程度の飛行で調べました。
オブジェクトの多い広島空港離陸時には12~14に低下しました。
なお飛行中のFPSは29程度で推移し,マップを見ながら快適に飛行できました。
着陸進入コースへの飛行は,大きなマップを見ながら機体を移動できるので滑走路への正対はスムーズに行うことができました。
オブジェクトの少ない広島西飛行場着陸時では,遠景に広島市内のビル群が表示されていても26くらいでした。
私は,離着陸時のFPS低下は操縦への影響が大きいと考えて,シーナリー表示設定を次のようにすこし調整することにしました。
地上オブジェクトの数にはこだわって,質感と反射度とアンチエイリアスだけを少し低く設定し直しました。
これで,離着陸時にもFPS19程度は確保できるようになりました。
デュアルモニターを,X-Plane11だけで広く使った場合には,表示する画素数が増えてしまうのでFPSへの影響は大きくなると考えられます。
けれどもムービングマップ表示なら,影響は少しで済みました。
その他の利用法
私は,FS2004で機体のリペイントをしようと考えてペイントソフトを導入しています。
ツールパレットと機体の表示で広い画面を必要としていたので,デュアルモニター構成が欲しいと考えていました。
デュアルモニターを構成するだけなら,X-Plane11の運用時にほとんど影響がないことが判って,デュアルモニター構成を今後も使っていくことにしました。
FS2004のナビゲーションに使うセカンドコンピュータは,すでにデュアルモニター構成になっています。
メインコンピューターがデュアルモニター構成になると合計4画面になってしまいます。
画面数だけを事情を知らない人が見たら,「デイ・トレーディングか何かを行っていらっしゃるのですか?」と言われそうな構成になりました。
まとめ
複数ディスプレイをX-Plane11で広く使うのでなければ,ビデオカードのVRAM使用率への影響は少ないことが判りました。
VFR飛行において,常にマップをみながら飛行できるというのは安心できます。
今回の実験結果から,私のようなフライトプランを作る事が少ないズボラパイロット向けの飛行環境を作る事ができるということがわかりました。
この記事は,次の製品で動作確認をしています。
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