FS2004やFSXには,簡単に上昇気流を発生させてることができます。
しかもFSXでは,上昇気流を見えるようにできる機能もあります。
X-Plane11にも,上昇気流を発生させて見えるようにするための機能を持たせることができます。
しかも,規模や強さを自分で設定できるのですから驚きです。
この機能の導入にはPythonを使うので,Pythonの導入を含めてその方法を説明します。
X-Plane11導入日記(その57)
PythonInterfaceを導入してX-Plane11に上昇気流発生機能を持たせる
各フライトシミュレーターでのグライダーと上昇気流の扱い
FS2004の上昇気流は,シーナリーの一部としてフリーウェアで提供されています。
けれども私は,いまのところ目に見えるようにする方法を見つけることができていません。
FSXでは,発生している上昇気流(サーマル)を目に見えるようにするオプションがあります。
さらにFSXではフリーウェアで提供されている機種が多く,重心を飛行中に変更するという特殊機能まで再現した機体やウインチのほか曳航機による離陸方法もあります。
そのため,グライダーをフライトシミュレーターで楽しむには,今のところFSXが最適だと私は考えています。
X-Plane11には標準でウインチ曳航機能があるので,FS2004とは異なり,リアルな離陸ができます。
けれども,初心者の飛行練習においては,上昇気流を見つけることは,かなり難しいと思います。
X-Plane11には,デフォルトでASK-21という良い機体が付属しているので,とりあえず飛行するには困りません。
あとは,上昇気流をどうつかまえるかという課題だけだったのです。
パラグライダーの導入をしたときに,付属のマニュアルの最後に上昇気流の導入についてさらりと触れているところがありました。
ぜひその記事をご覧ください。

そこには「X-Plane用の上昇気流を導入してね。」と言う言葉と,URL,そして導入した後の設定方法が書いてありました。
そこからたどっていき,必要なプログラム・パーツを集めて導入することができました。
“ASK-21” by Birgir & Björn Kristinsson. Photo from flickr
上昇気流発生機能導入に必要なプログラム・パーツ
ダウンロード
ダウンロードが必要なものは,3つあります。
まず,Python言語処理プログラム,PythonとX-Plane11を結ぶパイプ役となるインターフェースプログラム,そして上昇気流発生機能を記述したPython言語で書かれたプログラムです。
それぞれ別の場所からダウンロードすることになります。
上昇気流発生機能プログラムのダウンロード
ダウンロード先のURLは,パラグライダーのマニュアルに記載されていました。
このリンクをクリックして表示されたページの右上にある”Clone or download”をクリックします。
開いたウインドウの”Download ZIP”をクリックすると”xplane_thermals-master.zip”というファイルがダウンロードできます。
まず”xplane_thermals-master.zip”を適当な場所で展開します。
中にある”Readme.md”ドキュメントをメモ帳で開いて読みましょう。
そこに,必要なプログラムパーツが書いてあります。
必要なパーツは,インターフェースプログラムとPython言語ということが判ります。
インターフェースプログラムのダウンロード
インターフェースプログラムは,次のリンクからダウンロードします。
画面中央にある”Python Interface Download”というリンクをクリックします。
出てきたページの左にあるメニューの”Download”をクリックします。
でてきた画面の一番下にある”Python2.7(Plugin Version 2.73.06)”の下にある”PythonInterface.zip”をクリックしてダウンロードします。
Python言語のダウンロード
Python言語で書かれたプログラムは,適合するバージョンが異なるPython言語では実行することができないという制約があります。
インターフェースプログラムの最新バージョンは2.7用です。
Python言語の最新バージョンは3.xですが,X-Plane11の上昇気流プログラムで使える最新バージョンは2.7ということになります。
Python言語Ver2.7をダウンロードできる公式サイトは,次のページです。

このページの左側に自分のWindows10の種類に合ったインストーラーを選んでクリックします。
Windows10でX-Plane11を使っていらっしゃる方は,おそらく64bit版でしょうから,”Windows x86-64 MSI installer”をクリックして”python-2.7.15.amd64.msi”をダウンロードしてください。
上昇気流発生機能のインストール
Python言語処理系のインストール
言語プログラムを読み取って実行するプログラムを言語処理系といいます。
Python言語を処理する処理系は,インストーラーでWindows10に導入できます。
ダウンロードしたファイルを,管理者権限で実行します。
互換性の設定は不要です。
念のため,インストールする場所はWindows10のプログラムフォルダー以外の場所にしておきましょう。
私は,”C:\Python”と言うフォルダーにしました。
インターフェースプログラムのインストール
”PythonInterface.zip”を適当な場所で展開します。
できあがった”PythonInterface”フォルダーを,X-Plane11をインストールしたフォルダーの中にある”Resource>plugin”フォルダーにコピーします。
上昇気流発生機能プログラムのインストール
”Resource>plugin”フォルダーに”PythonScripts”というフォルダーを作ります。
”xplane_thermals-master.zip”を展開した”xplane_thermals-master”というフォルダーを開きます。
中にある拡張子が”.py”というファイルのうち”test_thermal_model.py”以外のすべての”.py”ファイルを
”Resource>plugin>PythonScripts”フォルダーにコピーします。
以上でプログラムパーツのインストール作業は終了です。
X-Plane11起動後の設定
上部のメニューの”Plugins”のダウンリストメニューに”Python Interface”というメニューがあるか確認します。
あったら,ここをクリックすると”Control Panel”ほか3つのメニューが出てきます。
これが出れば,Python言語と”PythonInterface”のインストールが正常に行えたということになります。
下の画像は,上昇気流機能の導入が済んでいない画面です。
つぎに一番下に”Thermal Simulator”というメニューがあるかを確認します。
上昇気流の設定は,”Configuration Thermals”メニューをクリックして行います。
設定項目はたくさんありますが,とりあえずパラグライダーのマニュアルにあった設定を使いました。
X-Plane11のグライダーで離陸後に行う設定
X-Plane11のデフォルトグライダーであるASK-21を使い,とりあえず離陸しましょう。
草地の飛行場でウインチ機能を使って離陸します。
ブレーキを解放しスロットルを開けばウインチが巻き上がります。
適当な高度でスペースキーを押すと牽引索が解放され自由飛行になります。
この時点で,”Plugins”メニューを開き”Tharmal Simulator>Thermal Visibility On/Off”をクリックすると,コックピットの外に小さな熱気球がたくさん表示されます。
この熱気球が,上昇気流(サーマル)です。
この気球をとらえるように旋回すれば,上昇気流を使って高度を上げることができます。
これで,X-Plane11で上昇気流を見ることができるようになり,私のような初心者でもグライダーの練習ができるようになりました。
まとめ
なんとか上昇気流機能をX-Plane11に導入することができました。
しかし,少し課題があります。
それは,Python言語を処理するプログラムをX-Plane11を起動するごとに動かすため,X-Plane11の起動時間がさらに長引くという影響があります。
ですから,グライダーを楽しもうとするひとならば,導入するメリットは大きいのですが,他にPythonを使うアドオンがない場合には,インターフェースプログラムを常時導入しておく必要はありません。
X-Plane11は,デフォルトでも重いプログラムです。
普段は使わないアドオンやシーナリーはできるだけ入れて置かない方がいいというのが私の考えです。
この記事は,次の製品で動作確認を行いました。
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