世の中には,コンセプトは良いのに開発が遅れて活躍できなかったものというのが結構あります。
ビッカースVC-10もその一つで,高温高地での使用を想定したリアエンジンの4発ジェット機です。
航空機の歴史の上でもこういう機体は,珍しいと思います。
妙に魅力的なのでFS2004で飛ばしてみることにしました。
イギリス王室専用機にも使われた魅力的なリアエンジン4発機VC-10
リアエンジンのT字尾翼4発機なんていうのは,かっこよだけを追求したようにも思える機体です。
VC10は,設計当初から自動航法制御システム搭載のみならず高温・高地下での離着陸性能を追求しています。
高温・高地の空港に飛ぶ機材とは,英国の影響下にある国々への航空路に使用するためでした。
主翼にはエンジンがないことから,全幅に渡って高揚力装置が装備され民間旅客機として世界最強のSTOL性能を発揮しました。
しかし,開発が遅れたために営業的には失敗作でした。
けれども,イギリス王室専用機に使われたことから,世界中で目にすることが多かった機体です。
私が高校生の頃に,知人から頼まれてAirfix社の1/144プラモを作った思い出があり,妙に印象に残っています。
そのせいなのか,この年になって1/400のミニプレーンをコレクションして飾り棚に収めています(笑)

Super VC-10 (G-ASGC)by Carl Ford. Photo from flickr
FS2004用データのダウンロードとインストール
データファイルのダウンロード
Flightsim.comから”bosvc10.zip”というファイルをダウンロードします。
Flightsim.comから引用
機体のインストール
ダウンロードしたファイルを適当な場所で展開します。
”BOAC Super VC10”というフォルダーができます。
このフォルダーを開くと,”Guage.zip”と”Sound.zip”というファイルがあります。
この2つのファイルを展開してできた”Guage”と”Sound”という2つのフォルダーをFS2004のメインフォルダーにコピーします。
コピーしたあと,”BOAC Super VC10”フォルダー内の”Guage.zip”と”Sound.zip”,”FILE_ID.DIZ”を削除します。
不要ファイルを整理した”BOAC Super VC10”を,FS2004のAircraftフォルダーにコピーすれば,インストールは終了です。
FS2004での表示
機体選択画面
航空機メーカーは”Vickers”,機種は”VC-10″,バリエーションは”BOAC”です。
操縦席画面
パネルはレトロな雰囲気を持ったいいパネルです。
仮想コックピットはありません。
サブパネルも少なめです。
滑走路上の機体
やはりこの機体は,ロンドンのヒースロー空港がお似合いでしょう。
リアエンジンとT字尾翼をご覧ください。
重い機体なので,燃料を半分くらいに減らしてフラップを最大に展開しないと離陸できません。
非常に操縦しづらい機体です。
一端離陸すると,特徴のある高揚力装置展開の様子が観察できます。
まとめ
T字尾翼で4発リアエンジンの機体は,イリューシンIL-62がありましたが,VC-10の基本設計をコピーしたことが判明しています。
VC-10は「オリジナリティはあったのに,開発遅れで営業に失敗した機体」として名を残した機体ですが,それでも魅力的な機体です。