私のお気に入りのSF小説があります。
古典に属する部類なのですが,七回以上読んでもそのたびに新しい発見があって楽しめるのです。
それをご紹介します。
新鮮なお刺身のように七回以上読んでも楽しめるSF小説
私の済んでいる広島には,夏に「カタクチイワシ」という魚がとれます。
「七回洗えば鯛の味」という宣伝文句もあって,刺身で美味しく食べられるのです。
私には,この刺身のように何度読んでも楽しめるSF小説があります。
その小説は,ロバート・A・ハインラインの「夏への扉」(原題:The Door into Summer)といいます。

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ネコと技術者が主人公のおはなし
主人公の一人語りで,話が進んでいきます。
ざっくり言えば,コールドスリープとタイムドラベルをうまく組み合わせたお話です。
しかし,ストーリーには経済的な出来事や新技術の開発といったSF小説ならではのアイテムがちりばめられています。
古い作品なのですが,現在の世界で少し実現しているものも登場します。
自動製図器と呼ばれるCAD,産業用ロボットなどです。
しかしこの作品のポイントは,主人公が自らのこれからの進むべき道を,探偵よろしく探し出し,2度目のコールドスリープにいく時=タイムリミットを目指して突き進むスピード感にあるのだと考えます。
ラストには,萌え要素も少し加わり,ほんわかした後味もあります。
読み終わったあとのすっきり感が活力を与えてくれる,そんな小説です。
私は,最初図書館で読み,古本を買い,そして電子書籍で買い直して書蔵しています。
この本は,何度読んでも刺身のように新鮮で美味しくいただけます。
ぜひ読んでみてください。