赤瀬川原平氏の著書「老人力」という本を読みました。
読むと思わず笑ってしまうエッセイです。
でも,老いを笑い飛ばすすごい考え方だと,著者の発想に感心しました。
「老人力」という本
赤瀬川原平氏は1981年に「父が消えた」で芥川賞を受賞されました。
画家でもあり,多彩な活動をなさっていた方で,2014年10月に亡くなられています。
この本は,出版当時2冊だった本を合本にして1冊の文庫本にまとめた本です。
「老人力」とは,老いを笑い飛ばすでなく,当たり前として老いに対する考え方を変える,そういう思いから生まれた言葉なのかもしれません。
「老人力」の定義は,誤解を生むほど多彩なのだとか。
著者本人もはっきりわかっていらっしゃったのかどうかわからないですが,老いのいろんな面を捉えて色々お話をされている本です。
「老人力」は老いが始まらないと理解できないのか
この本で著者は,老いをいやなモノとは捉えないようにされています。
私は,今現在,老いというモノに向き合うというより考えることがあまりないような生活をしています。
けれど結構物忘れがあるので,嫁さんから,「年なんだから云々」という言葉をもらうことも多いのです。
そう言ったときを捉えて,「老人力が増えたんだ。」と言ったら,「なにいうとるんね!」と叱られてしまいました。
「老人力」の元本は1999年,著者が62歳の頃に出版されています。
2017年なら,すでに18年経っているんですね。
文庫本のあとがきに,著者が「本が文庫本になるということは,人間でいうと還暦を迎えたようなことではないか。」と書いておられます。
私が,40代のころの本ですが,印象に残ってはいません。
やはりこういう本は,その年代にならないと実感がわかない本なのでしょうね。

“laugh” Photo from flickr
「老人力」を育てる?
私は,この本を読んで,日々を楽しむ視点を与えてくれる本だと考えました。
「ある現象を,いろいろな角度で考えて見ることで楽しく考えることができる。」そういうことが,日々の暮らしの中で当たり前のようにできることは,素敵なことだなと考えます。
私も著者がこの本を書いた年齢に達したところです。
フライトシミュレーターの調整について,「あれ,どうやるのだったかな?」と忘れることも良くあります。
そういうこともあるので,このブログに一つずつ記録していけば,自分が使うことにも役立つでしょう(笑)
また,いろいろ書いていく中で日々の暮らしのできごとひとつひとつについて,いろんな見方をするよう努力していくつもりです。

”D51″ Photo from flickr