世界中にはビックリするようなアクセス手段しかない空港があります。カナダのトロントにある島の空港がその一つです。この空港には地下トンネルかフェリーを使って行くしか交通手段がありません。今回は美しい自然に囲まれたこの空港と素晴らしいトロントのシーナリーをご紹介します。
トロントの遊覧飛行をしっかり楽しめる環境を作る方法
トロント市街地と島にある国際空港
カナダ国内の空港の写真を眺めていて,ターボプロップ機が離陸する美しい風景を見つけました。
その場所を調べてみるとオンタリオ湖畔にある”ビリー・ビショップ・トロント・シティー空港“という長い名前の空港であることがわかりました。
“Toronto City Airport” by egbjdh. Photo from flickr
地元では,この長い名前を呼ばずに”トロント・アイランド空港”とか”トロント・シティーセンター空港”と呼んでいるそうです。
この空港のことをWikipediaで調べると,空港へのアクセス手段が変わっていることがわかりました。
空港は,オンタリオ湖の西北部の湖畔にあるトロント島にあり,原則ジェット機の乗り入れが禁止されています。
そして空港へのアクセス手段は,フェリーか徒歩だけなのだそうです。
徒歩といっても対岸からの地下トンネルで,そこには動く歩道も設置されています。

移動距離だけを考えれば,羽田空港や地下鉄の駅でも入り口から乗り場までは長い距離を移動しなければならないのですから,トンネルは長いとはいえません。
ただ,他のアクセス手段がないということが珍しいところです。
この空港は毎年9月に開催されるトロント航空祭出場機の離発着空港になっています。
またトロント市街の夜景を眺める観光スポットにもなっています。

“Toronto Reflections” by Ben Senior. Photo from Flickr
X-Plane11のシーナリー環境
この空港から出発して美しい風景を眺めてみようと考えてカスタム・シーナリーを調べてみました。
先の私の投稿記事でカナダのシーナリーページをご紹介しました。

このページにトロントVFRのリンクがあるのですが,残念ながらリンクが切れていました。
そこで,トロントの街を遊覧飛行するためのシーナリーを調べてみました。
シーナリーのダウンロードとインストール
ダウンロード
トロントのVFRを楽しむためには3つのシーナリーと1つのオプションシ-ナリーを使います。
Tronto VFR 1.0.0
まず検索で見つけたのが”Tronto VFR 1.0.0“です。
X-Plane.orgより引用

ダウンロードリンクをクリックするとウインドウが開き3つのリンクが表示されます。
3つともダウンロードしますが大きなファイルなので収納場所の空き容量には注意してください。
X-Plane.orgより引用
CYTZ Tronto Island Airport(ISDG)1.0
2つめが空港シーナリーの”CYTZ Tronto Island Airport(ISDG)1.0“です。
X-Plane.orgより引用

CYYZ Toronto Pearson Intl(ISDG) 1.21
3つめが”CYYZ Toronto Pearson Intl(ISDG) 1.21“です。
X-Plane.orgより引用

Tronto Skyline
4つめがオプションでX-Plane9時代の”Tronto Skyline“というVFRシーナリーです。
このオプションシーナリーは,トロントの高層ビル街である”Tronto Skyline”の夜景を美しく表示するためのシーナリーですので,夜は飛ばないという方は不要です。
X-Plane.orgより引用

ライブラリー
そして表示に必要なライブラリーは次のとおりです。
Animated Sea Traffic

HD Environment X
ISDG – Vehicle Library Extension

なお以下のライブラリーは、空港の説明に記載がありますが”HD Environment X“で補完されるので必須ではありません。
Asphalt Runways Enhanced HD

ISDG – Wide Taxiway Markings

また,Trontoを含む区域のX-Plane10用の地形データも見つけたのですが,X-Plane11のデフォルトメッシュで対応できるので不要と判断しました。
インストール
Tronto VFR 1.0.0
ダウンロードした3つのファイルの内の”C Toronto 2.7z“を右クリックして展開先フォルダーを指定して展開します。
この操作で3つのファイルが一つのフォルダー内に展開されます。
展開後のフォルダーの大きさが5GB超ですので,展開先の容量にも注意が必要です。
このシーナリーはトロントの市街地を表示するためのシーナリーですので,ライブラリーの上あたりに置くのが良いと思います。
CYTZ Tronto Island Airport(ISDG)1.0
ダウンロードした”CYTZ Toronto Island Airport XP10 v1.0.zip“をX-Plane11のCustom Sceneryフォルダー内に展開します。
出来上がったフォルダー内には,チャートなども含まれています。
CYYZ Toronto Pearson Intl(ISDG) 1.21
ダウンロードした”CYYZ Toronto Pearson Intl v1.21 (ISDG).zip“をX-Plane11のCustom Sceneryフォルダー内に展開します。
Tronto Skyline
ダウンロードした”zCanada CYTZ Toronto Island ON.zip“をX-Plane11のCustom Sceneryフォルダー内に展開します。
つぎに,”CYYZ Toronto Pearson Intl v1.21 (ISDG).zip”を展開してできた”CYTZ Toronto Island Airport (ISDG)“を開きます。
この中にある”Skyline Package – Night Lighting Textures“を開きます。
このフォルダーの中にあるすべてのファイルを”zCanada CYTZ Toronto Island ON.zip”を展開してできた”zCanada CYTZ Toronto Island ON“フォルダー内にある”objects“フォルダー内にコピーします。
Scenery packs.ini内の定義順
つぎのような順番になるように編集してください。
SCENERY_PACK Custom Scenery/CYYZ Toronto Pearson Intl (ISDG)/
SCENERY_PACK Custom Scenery/zCanada CYTZ Toronto Island ON/
…
SCENERY_PACK Custom Scenery/C Toronto 2/
なお,昼間の飛行をする時には,次の画面のように“zCanada CYTZ Toronto Island ON”を無効化しましょう。
4つのシーナリーを導入する理由
このTrontoVFRをデフォルトのX-Plane11に導入したときFPSの極端な低下を経験しました。
この原因は,空港周辺の船舶オブジェクトの多さでした。
“CYTZ Tronto Island Airport(ISDG)1.0″を導入することで,空港周囲の船舶が表示されなくなるため,FPSが回復します。
つぎに,”Tronto Skyline”は,TrontoVFRでは表示されない高層ビルの夜景を表示するためのものです。
昼間の風景は,新しいシーナリーである”TrontoVFR”のほうが詳細です。
“CYYZ Toronto Pearson Intl(ISDG) 1.21″はCYTZからVFRで飛び立ったとき目標空港として利用しますが,Tronto市街地郊外にあるいくつかのランドマークを表示するために用いるものです。
申し訳ないのですが,TrontoVFRでどの範囲までランドマークが表示されるのか調べていないので利用しているものです。
この空港はFS2004から変換された空港で利用にあたって等高線に従うオプションを無効化する必要があります。
そのため特にこだわりがなければデフォルトシ-ナリーを利用してもかまいません。
X-Plane11での表示
昼間のトロント
導入に手間がかかった分だけ飛んでみると素晴らしさを実感できます。
Toronto Island Airport(CYTZ)の27番滑走路から離陸します。
島の周囲はフォトシーナリーで表示されており,観光地としての島の様子がうかがえます。

空港の全景とトロントの市街地
空港内には数多くのターボプロップ機がとまっています。

ジェット機が2機いるのは,緊急だったのでしょう。
離陸してTronto市街地を眺めてみましょう。
高層ビル街は,メイグス飛行場を離陸するときのシカゴの街を思い出させるような風景です。
また対岸から空港に連絡するフェリーボートは正午に出港するので,フライト時刻を設定すれば見ることができます。
トロントの街の西にピアソン空港があるので,そこまで数分の飛行です。
ランドマークの確認は,Googlemapを見てゆっくり探してみましょう。
夜景の美しいトロント
今回のもう一つの目玉は,トロントの夜景です。
面倒くさい導入作業のごほうびに夜景を堪能しましょう。
まとめ
今回のトロントVFRを導入して最適化するために,X-Plasne.orgのフォーラムなどの議論を追いかけるなど結構な手間がかかりました。
その分,現時点でトロントのVFRを楽しむための環境作りができたと思います。
導入は面倒ですが,それだけの価値のあるシーナリーだと思います。
たくさんのシーナリーを公開していただいた作者の方々に感謝いたします。
ありがとうございました。
Enjoy, Flight!
この記事のシーナリーは,次の製品のオンラインバージョンアップ版11.41で表示確認をしました。
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