ヨーロッパの風景で表示される建物,構造物と道路をリアルに表示するためのライブラリーであるX-EuropeがVer4に更新されました。今回の更新では,建物の大きさが大きく変化し落ち着いた雰囲気に変化しています。この新しいライブラリーの導入方法と効果について報告します。
ヨーロッパの風景をグレードアップするライブラリーの更新
X-Europe4の概要
X-Europe3は,X-Plane11向けにX-Plane10の時に公開されたものを改良したライブラリーで,VFR向けにヨーロッパの建物や構造物と道路をリアルに表示するものです。
X-Plane11用でしたが,内容はX-Plane10時の内容をかなり踏襲したものでした。
そして2020年1月にバージョンアップされたX-Europe4.1が公開され,わずか1ヶ月後に4.2が公開されました。
4.1の主な改良点は,ギリシアを対象区域に加えたこと,四季の変化に対応したこと,Autogenの家を少なくしたことなどです。
そして4.2の改良点は,木の生え方の改良とオブジェクトの追加です。
なおこのライブラリーを利用するには,最新版のOpenSceneryXの導入が必要です。
私は,これらの改良がOpenSeceneryXとFlyagi vegitationの四季の変化への対応が背景にあると推測します。
推奨環境
表示が改良されましたが,利用するための推奨環境はVer3と同様に厳しいものになっています。
マニュアルに書いてある推奨環境は,8GBのVRAMを持つグラフィックカードと32GBのメモリーを持つPC,そして各地のフォトシーナリーを利用するときは高速のSSDに収納する必要があるとのことです。
一方で,マニュアルには推奨環境が整っていなければ,フォトシーナリーを導入せず通常シーナリーで利用するようにとの注意書きがあります。
そしてデフォルトで導入する場合には,通常シーナリーで使うように設定済みになっています。
これは,Ver3.0と同様です。
四季への対応を見たいのであれば,できるだけフォトシーナリーを使わずにデフォルトで使ってみましょう。
X-Europe4のダウンロードとインストール
ダウンロード
X-Europe4は,simHeaven.comのダウンロードページからダウンロードします。
X-Plane.orgにも記事があります。
X-Plane.orgより引用
記事は4.1になっていますがダウンロードリンクをクリックすると,2月19日以降simheavenのX-EUROPE4.2のニュースページにジャンプします。
今後,随時改良されるかもしれません。
直リンクは次のとおりです。
右下の黄色のダウンロードリンクボタンをクリックします。
SimHeaven.comから引用
ファイルサイズは7.6GBで,展開後のサイズは14.6GBだと告知されています。
Ver3.0より少し小さくなりました。
光回線で平日昼間の比較的回線が空いている時でもダウンロードに1時間弱かかります。
ダウンロードする時には,ダウンロード中にPCやHDDが止まらないように電源の設定をしておきましょう。
ダウンロードしたファイルは,”simHeaven_X-Europe-4.2.7z“という名前です。
インストール
“simHeaven_X-Europe-4.2.7z”を展開する時に,収納先のディスクを指定して展開するようにしましょう。
私の場合は,リンク先フォルダーをG:ドライブにしているのでそこに収納しました。
このG:ドライブは1TBのSSDで,収納したときには告知どおり14.6GBでした。
展開後のフォルダーには,7つのフォルダーとマニュアルがあります。
7つのフォルダーのショートカットを作り名前を整えた後,それらのショートカットをX-Plane11のCustom Sceneryフォルダー内にコピーします。
ディスク容量に余裕があれば,7つのフォルダーを直接Custom Sceneryフォルダー内にコピーしてもかまいません。
X-Plane11を起動後,メインメニューが表示されたらすぐに終了します。
そして,X-Plane11のCustom Sceneryフォルダー内にある,”Scenery packs.ini“をメモ帳で開いて編集します。
X-Europeの位置をはっきりわかるようにしていれば以下の操作は不要です。
2 そして,X-Europe3の定義部分を削除します。
3 Custom Sceneryフォルダー内のX-Europe3のフォルダーまたはリンクを削除します。
場所が特定しやすいことと安全対策のために,このような方法をとります。
今回はScenery packs.iniのなかに定義コメントを入れることができる方法を習得していたので,楽に定義位置を決めることができました。
また,X-Europe4付属のpdfマニュアルのp5に,”Scenery packs.ini”内におけるX-Europe4の詳しい定義位置が示されていますので参考にしてください。
重複するライブラリーの無効化と優先順位の変更
ここでひとつ注意があります。
植生を改良する”FlyAgi Vegetation“ライブラリーは,3.0以降4.2にも含まれているので削除しておくようにとのマニュアルに説明があります。
このライブラリーは,いまのところ私の知っている日本の空港ライブラリーには利用されていないので,削除しても問題は無いと思います。
また無効化する”_DISABLED”記述を”FlyAgi Vegetation”ライブラリーに加えることで対応することもできます。
なおニュージーランドなどヨーロッパ以外の場所でこのライブラリーを参照しているものがあるので,私はX-Europe4よりも優先順位を下げた場所に置いておくという方法をとっています。
w2xpデータなどの無効化
X-Europe4はOSMデータに基づく建物配置を行います。
そのため,同じOSMデータを参照して作られているw2xp_Europe_mixを無効化しました。
また建物などのライブラリーであるEurope_Libraryも同じく無効化しています。
いまのところ,このことによる影響はないようです。
シーナリーによっては無効化したライブラリーを必要とすることがありますから,X-Plane11のシーナリー不足エラーを表示させるように設定しておきましょう。
X-Plane11での表示
加わったギリシャの風景は,X-Plane.orgの記事に表示があります。
ここでは,私がX-Europe3の時にご紹介したアゾレス諸島のホルタの街の変化を紹介します。
ここは,フォトシーナリーを使っておらず,建物や船がたくさんあるので比較しやすいと考えたからです。
まず,X-Europe3で表示したホルタの街です。
ビルの壁が黄色で高さがあり,屋根が茶色です。
次の画像が4での表示です。
背の高い建物がなくなり,屋根の色が灰色に変化し全体的に表示がおとなしくなっています。
画面右下あたりのビルの横に,教会のような尖塔のある茶色の屋根の建物が加わっています。

X-Europe4での表示
なお気になる点もあります。
低空飛行で気がつく程度なのですが,斜面にある一部の建物が,地面から浮いています。
シーナリーを等高線に従うオプションを変更しても治りません。
この点は,今後改良される事を期待しましょう。

画面中央の建物の海側が浮いています。
まとめ
マニュアルの推奨環境については,フォトシーナリーの利用に関係するものです。
今回の改良の目玉が,ギリシャの区域追加,四季の変化対応と木々の表示の改良ということなので,推奨環境にこだわらずにX-Europe4の導入をお勧めします。
最後になりましたが,このような素晴らしいライブラリーを開発し公開していただいた皆様に御礼を申し上げます。
ありがとうございました。
Enjoy, Flight!
この記事は,次の製品のオンラインバージョンアップ版11.41で動作確認をしています。